香り高い『ジャスミン』精油の成分や効能・おすすめの使い方
ジャスミンの香りは香水や芳香剤、お茶等にもよく使われますが、ジャスミンの精油があることをご存知でしょうか。実はジャスミンの精油はとても希少価値の高い貴重なものです。今回は、濃密で香り高い本物のジャスミンの精油についてご紹介します。
2019年12月11日更新
記事の目次
[1]ジャスミンの精油とは?
ジャスミンは常緑のつる性の植物で光沢のある葉と芳香のある白い小さな花を咲かせます。ジャスミンの精油とはジャスミンの花から抽出されたエッセンシャルオイルです。
8~9月に咲き、日没後から開花、時刻によって香りが変わると言われていて、産地によって摘み取られる時間が違います。
ジャスミンと聞くと日本ではお茶や香水のイメージが強いかと思いますが、ジャスミンの精油の歴史は古く、古代エジプト王国の女王、世界3大美女で有名なクレオパトラが愛した香りでもあるそうです。
ジャスミンの精油には催淫効果があり、古代エジプトではジャスミンの香りを「媚薬」として使用していたそうです。ジャスミンの精油の催淫効果は現代の肉体に対する精力増強というより、本来的な人間の欲求を解放するという精神面での効果が強いようです。
その濃密な香りから「夜の王様」とも呼ばれるジャスミンの精油ですが、これはジャスミンの花が夜になると一層強く香るためその呼び名がついたとされています。
また、ローズの精油は「香りの女王」と呼ばれますが、ジャスミンの精油はその甘美でエキゾチックな香りから「香りの王様」とも呼ばれ長い間愛されてきた香りです。ローズとジャスミンを一緒にブレンドすると女性のための最高の香りになると言われています。
生産地はインド・フランス・エジプト・モロッコ・中国・イタリア等多岐に渡ります。
[2]ジャスミンの精油詳細
ジャスミン精油の成分
酢酸ベンジル・安息香酸ベンジル・フィトール・リナロール・インドール・シス−ジャスモン・オイゲノール
ジャスミン精油の効能
■神経系
鎮静作用・高揚作用・催淫作用(少量だと、鎮静、多量で精神を活性化する。)
高揚感、多幸感をもたらし、精神面での強化やストレスを緩和する作用に優れています。
- うつ状態になってしまった時
- 存在価値が見いだせなくなった時
- 自信がないのが原因で攻撃的になったりイライラしている時
- 自信がないのが原因で不安に押しつぶされそうな時
- 心に落ち着きを取り戻したい時
■皮膚
細胞成長促進作用/エモリエント作用/抗炎症作用
- 老化が気になり始めた時(特にしわが気になる)
- 乾燥や乾燥による赤みが出始めた時
- しみやにきび跡が気になる時
- 肌がごわつきメークのりが気になる時
■生殖器系/内分泌系
子宮強壮作用・分娩促進作用・通経作用・ホルモン作用
- 出産時子宮を収縮させ分娩を助けてくれる(陣痛が強くなったら腰部と下腹部に塗布する。)
- PMS(月経前症候群)に悩んでいる時
- 生理周期が安定しなかったり無月経の時
- 生理痛が重い時/更年期障害の時
- マタニティブルーの時
- 産後の体調ケア(子宮収縮を助ける)
- 妊活している時
■呼吸器系
抗けいれん作用
- 風邪をひき咳や声がれしている時
- 喉頭炎など喉の炎症がある時
- 痰がでやすい時
ジャスミンの精油と相性の良い精油
ジャスミンの精油は少量でとても強く香りますが、ブレンドする時は比較的香りの系統を気にせず、合わせやすい精油です。
その中でもジャスミンの濃密な香りを軽くし親しみ易い香りにしてくれる柑橘系は相性が良いと人気の組み合わせです。
オリエンタル系・フローラル系の香りと組み合わせると更にに濃密な香りになり、アロマ上級者や女性に人気の組み合わせです。
≪柑橘系精油≫
●オレンジ
●ベルガモット
●レモン
≪オリエンタル系精油≫
●イランイラン
●サンダルウッド
●パチュリ
≪フローラル系精油≫
●ゼラニウム
●ローズ
●カモミール
[3]ジャスミン精油の使用上の禁忌事項
ジャスミンの精油を使用する時に気をつけて頂きたい禁忌事項をご紹介します。ジャスミンの精油は少量でも香りが強く効果が高いため、使用する時は十分に注意が必要です。
- 妊娠中の使用はさける(分娩時、妊娠37週以降はOK)
- 集中したい時や車の運転中の使用はさける
- 芳香が強いため高濃度での使用はさける(肌に直接つかないように気をつける)
[4]ジャスミンの精油の価格
非常に貴重で高価な精油
ジャスミンの精油はとても高価で、商品にもよりますが10mlで15,000円〜25,000円前後で販売されています。それはジャスミンの精油は約700kg~1000㎏の花びらから、たった1Ⅼしか精油がとれない非常に採油率が低い貴重な精油だからです。
香りや作用が強く、1回の使用量は少なくてすむので1~5ml単位の購入がおすすめです。
また、ホホバ油で5~10%濃度に希釈したジャスミン・イン・ホホバもあるので、用途に応じて利用してみるのも良いと思います。価格も10mlで3,000~4,000円です。
このような採油率の低い植物は「アブソリュート法」と呼ばれる溶剤抽出法を使って採油されることがほとんどです。
これは揮発性のある溶剤に花を漬け精油を溶かし出し、蒸留器で徐々に加熱し溶剤のみとばし採油する方法で、このアブソリュート法で作られた精油は香りが凝縮されるため少量でも濃厚で強い香りがするのが特徴です。
更にジャスミンは夜から明け方近くに最も香りが強くなるため、一般的にその時間に合わせて手で1つ1つ摘み取りが行われます。
ジャスミンの精油を作るためには膨大な量の花とそれを最適な時間に手作業で全て摘み取る手間がかけられているのです。
昔はジャスミンの花を牛の脂などと植物油とに混ぜたものをガラス板に塗り、そこに1枚1枚花びらを何度も貼り付けその芳香成分を移して、それをエタノールで蒸留していたという手間のかけようでした。
そうまでしても使いたかったジャスミンの香り。昔からながく愛され続けているのも頷けます。
偽物・合成物に注意
このようにジャスミンの精油は非常に高価なため、偽物や合成の化学物質が混ざっている商品がよく出回っているため購入する時には注意が必要です。
価格が安すぎるものはうたがって正解ですが、それだけでなくしっかりとした精油という証であるロットナンバーが記載されているかどうか、精油が入っている瓶の密閉性がしっかりしているかどうか等しっかりチェックしてから購入するようにしてください。
また、上記にもありますが、「ジャスミン何%」等初めからキャリアオイルとブレンドしてあるものもあります。これは精油が本物であればマッサージ等にそのまま使用できるので、用途にあわせて利用してみると良いと思います。
[5]憧れのジャスミンの精油
ジャスミンの精油についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。ジャスミンの可憐で小さな花からは想像できないほど濃密で薫り高く、様々な効果がある精油でしたね。採油するまでとても手間と時間がかかりますが、それでも長年作られてきた女性にも男性にも好まれてきた香りです。
まだジャスミンの精油の香りを嗅いだことがない方は1度試し普段身近にある「ジャスミンの香り」との違いを楽しんでみるのもおすすめです。とても高価で貴重な精油、是非1度は体感してみたいですね!
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。